倒れそうになる「自分」をどう支えるか
ある将棋関係者から聞いた話だが、プロ棋士は勝負にのぞむ際、その日の対戦相手より少しでも自分がまさっている点をさがし、それを対局中にくり返し自分に言い聞かせるそうだ。
なかにはかなり強引な人もいて、たとえば「自分のほうがあいつより爪が長い、だから勝つ」といった極端なものまであるという。
勝負師ならずとも、何か一つモットーを掲げ毎日念じ続けると、不思議に気分も高揚し、ファイトがわいてくる。
俗に「腰が据わる」というが、目標を立て自分が何をやるべきか方向をはっきりさせることで、行動に迷いがなくなるわけだ。
企業でも営業部門が、売上目標を毎朝全員で唱和するのは、こうした心理状態を作り上げるためである。
ただしその標語は、ともすれば崩れそうになる自分の意志を叱咤激励する道具だから、前向きのものでなければならない。
すでに終わってしまった過去を振り返る繰り言のたぐいは禁物だ。
さらに、言葉は短く簡単なほうがよい効果を発揮する。
受験生のように、紙に書いてよく見える場所に貼ったり、定期入れにはさんで折りにふれて取り出して見れば、くじけそうな心も力づけられ、目標に向かって努力する粘り強さもついてくる。
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