父親の怒り
ビリーの失くし物が父親を怒らせた。
「お前、金のなる木があるとでも思っているのか。それとも、そんなこと考えたこともないのか。ビリー、いったい、これはどういうことなのか説明してみろ」
ビリーは怯えて鳴き声で言う。
「ボクわからない。つい忘れてしまうんだもの」
「つい忘れる、だって?パパが買ってやった高いもの、片っ端からなくしてしまったじゃないか」
父親にやっつけられて、ビリーは頭を垂れ、何も言わない。「・・・」
「質問に答えろ!パパを怒らしてそんなにおもしろいのか、言ってみなさい!」「わからない」
父親が高圧的に出れば出るほど、ビリーは頑固におし黙る。
母親との場合でも、父親との場合でも、ビリーは追いつめられると「わからない」を繰り返すほかなくなる。
両親はなんとか彼に立ち向かおうとするが、しまいには、どうやってもパアになってしまう。
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