無いものねだりの不幸
自分に「自分は幸せだ」と、いろいろ言い聞かせる。
食べられる。
屋根の下で雨にも濡れず暮らしている。
つらい労働を強いられているのでもない。
しかし、どうしても幸福感はなかった。
基本的な欲求が満たされていなかったのである。
人は、基本的な欲求が満たされて幸せになる。
人は愛されるから、仕事でも好きなことができてくる。
趣味も持てる。
「実際の自分」を受け入れてもらえるから、好きなことが出てくる。
深刻な劣等感で動いていたら、いつになっても好きなことは出てこない。
うつ病者に「趣味を持ちなさい」と言っても無理である。
うつ病者は小さい頃から「実際の自分」を受け入れてもらったことがないから、好きなことが見つからない。
もともと好きなことが見つからないから、うつ病になった。
その人に「趣味を持ちなさい」と言っても無理。
趣味を持てれば、そもそもうつ病にはならない。
趣味を持てない人に、「趣味を持ちなさい」と言うのは、アルコール依存症の人に「アルコールを飲むのをやめなさい」と言うようなものである。
アドバイスの内容は正しいかもしれないが、まったく無意味な発言である。
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