人間関係の心理のあれこれ

人間関係が怖いを楽にする方法についてつらつら綴っていきます。

呼吸法のちょうどういい姿勢

坐禅について語るときは、背筋をピンと伸ばし、足を結跏趺坐に組み、目を半眼にと、まず形から入るのが一般的なやりかたです。
禅寺での教則本を見ると、呼吸法については「ひとーつ、ふたーつ」と数を無言で唱えながら呼吸をしなさい、と書かれてあるだけです。
あまり、細かな記載がありません。
ところが、明治、大正、あるいは、もっと古い坐禅の本には、腹筋の絞り方、鼻や気道の調整の仕方など、じつに詳細に書かれてあります。
呼吸の生理学を大学で教えている私でも、驚くほど微に入り細にわたって、説明されています。
それだけ、呼吸法に真剣に取り組んでいたことがうかがわれます。


それはそれとして、姿勢は二の次でよいと考えています。
意識的な腹筋呼吸を継続することが一番大切であると考えています。
姿勢は、あぐらをかいても、椅子に坐っていても、立っている状態でも、セロトニン神経を活性化するという点では、問題ないのです。
姿勢ではなく、腹筋リズム運動が本質なのです。
セロトニン神経が活性化されると、自然に背筋がピンと伸びて、姿勢が正されます。
ですから、最初は、姿勢にはあまりこだわらず、呼吸法を徹底的に極めてください。
姿勢は、継続するうちに、自然に決まってきます。


姿勢にこだわらない理由がもう一つあります。
呼吸法は紀元前に釈迦によって広められたわけですが、それは、インドから中国に渡り、そして日本に伝えられました。


それぞれの国で、それぞれ違う呼吸法の様式が作られました。
インドではヨガ、中国では気功法や太極拳、そして、日本では坐禅です。
最近では、バレエの振り付けで有名な西野式呼吸法を編み出しています。
呼吸法の基本は皆、同じと考えられますが、姿勢はそれぞれ違っていてもよいのだと判断されます。