人間関係の心理のあれこれ

人間関係が怖いを楽にする方法についてつらつら綴っていきます。

真の射

人間の心の在り方を考えると、一所に心を留めないで事を成し遂げるのは、非常にむずかしいものです。


とくに、ギリギリの状態で、集中して物事を成就しようとするときにはなおさらでしょう。
たとえば、ゴルフ・コンペの場合を考えてみてください。
この一打ですべてが決まるという状況です。
ここで平常心を保てれば、勝利を呼び込めるはずですが、ついパターの一所に心を留めてしまい、悪い結果に終わる場合がよくあります。
弓で的を射るときも、似たようなことをいわれます。
的を射るにもかかわらず、的に注意を集中してはいけない、と指導を受けます。
的の一所に心を留めると、射抜くことができない。
逆に的に意識を集中しないで、平常心が保てると、見事に的に当たる、というものです。
これを、真の射と言います。
禅問答のようなややこしさもありますが、事情は次のようになります。
つまり、注意を一点に留めてしまうと、セロトニン神経の活動が一時停止に陥り、平常心が保てなくなってしまうというものです。


平常心は、セロトニン神経をきたえるだけで作られるものではなく、平素の心のもち方も大切ということになります。
一所に心を留めると、せっかく高められてきたセロトニン神経の活動レベルを一時的に停止させてしまい、満足なパフォーマンスができなくなる可能性があるのです。