人間関係の心理のあれこれ

人間関係が怖いを楽にする方法についてつらつら綴っていきます。

言葉以上に影響する「しぐさ」に注意

アメリカのコミュニケーション学者レイ・バードウィスティルによれば、「『相手に快く受け入れてもらう』ために『話す』ことは、その内容を含めて35パーセントほどしか寄与していない」そうです。


欧米人は一般的に、身振り手振りなどのアクションを加えながら話すのが得意です。
一方、日本人が話をするときは、身振り手振りどころか、話し方そのものもおとなしいものです。


しかし、もし、あなたが大勢の人の前で話をするというときは、話の内容を手の動きや体の動きなどで補足しながら表現することも必要でしょう。


政治家の演説を見ていると、ここぞというときには、こぶしを振り上げたり、両手を大きく広げたりするテクニックを駆使しています。


選挙演説ではなくとも、話のポイントでは、そうしたアクションを加えてみるのも、聞き手を引き付ける方法といえます。
アクションをプラスしたコミュニケーション術を身につけることで、人間関係のストレスを軽くすることもできるでしょう。


とはいえ、しぐさによってはマイナス要因になることもあります。


まず、話をするときに視線が不安定だったり、必要以上にまばたきを繰り返したりすると、落ち着きのない印象を与えます。
また、意味もなく体を揺らしたり、手をもじもじと動かしたりするのも、相手にいい印象を与えません。


聞く側も気をつけたいことがあります。


たとえば、話を聞きながら髪の毛に手をやったり、爪をながめていたりする女性をよく見かけますが、話し手に「話が面白くないのかな」「話の内容が理解されていないのかな」と思わせてしまいます。


恋人とのデートの最中なら、「髪がうまくセットできなくて」「ネイルが気になるの」といった言葉でフォローできるでしょうが、少なくとも仕事の席では絶対にすべきことではありません。


とくに、食事のときに髪に手をやるのはマナー違反です。


人間関係ワンポイント:話をするときにマイナス要因となるしぐさに注意する。

「ポイントは?」のひと言で要点をキャッチ

商談の席で相手の話に耳を傾けていても、いつまでたっても本題に入らず、周辺の話をまわりくどく話し続ける人がいます。


「A社さんのご要望についてですが・・・」と話しはじめてから、先方の業績、その地域の最近の様子と、話の核ではなく周辺をぐるぐるまわっているようであれば、本題に入らせるために、
「そこまではわかりましたが、A社さんのご要望とはなんですか」
「A社さんのご要望でポイントとなることがらは?」


といったように、聞き手の側で話をリードするほうがいいかもしれません。


話がまわりくどい人というのは、伝えるべきことが整理できていない場合が多く、聞き手側の上手なリードで、話がスムーズに進むこともめずらしくありません。


重要な報告であれば、「書面にまとめて提出してください」と言うことができますし、時間に余裕がある場合なら、「もう一度、話の要点をまとめてから報告を聞きたいですね」
と差し戻すことも可能でしょう。


商談にしても会議にしても、かぎられた時間を有効に使うことが求められます。


たとえば、8人が2時間の会議に出席し、報告を受けたり議論したりしているとすれば、会社にとっては、16時間分に相当する結論が出なければ、「費用対効果」ならぬ「費時間対効果」の面からいって、マイナスになってしまうのです。


会議の出席者が「時間をロスした」と感じたならば、人間関係もぎくしゃくしてしまいかねません。
なかには長い会議に嫌気がさし、不機嫌さをあらわにする出席者がいるかもしれません。
企業にとっても、社員にとっても、それだけ「時短」は重要なのです。


人間関係ワンポイント:かぎられた時間を有効に使う話の聞き方をマスターしよう。

「危うきに近寄らず」で車内トラブルを避ける

通勤に電車を利用している人は、乗客どうしのトラブルに巻き込まれたことがあるかもしれません。
かつて、「日本人は遠慮がち」といわれた時代には考えられないようなことが車内で起こっています。


たとえば、ヘッドホンやイヤホンからもれてくる音。


本人は気付いていないのか、知るよしもありませんが、他人からすれば、どんなに素敵な音楽でも雑音です。


しかし、こんなときに「うるさいよ!」と言ってしまっては、トラブルのもと。


「もしもし、音がもれていて、周りの人に聞かれちゃいますよ」くらいにとどめておいたほうが無難でしょう。
それにしても、最近のヘッドホンやイヤホンは、音漏れ防止機能がついているものも多いはずですが・・・。


また、自分が降りる駅に着いたのに混雑で降りにくいこともあります。
なかにはドアの前に立ちはだかっている人もいます。


そんなときは、「すみません」と言っても通じません。


「すみません」では、なにが「すまない」のか伝わらないのです。


その声に振り向く人はあっても、道を開けてくれる人はいません。


しかし、


「降ります!すみません、通り道を開けてください」


と言えば、周りの人も体をずらしたり、場所を開けたりしてくれるはずです。


さらに、ターミナルの駅で乗客がどっと降り、車内がずいぶん空いたというのに、混雑していたときと同じ場所に陣取ったまま、すきまをつくろうとしない人がとなりにいることもあります。
そういうときは、「通ります」と言って、その人から離れたほうがいいでしょう。
そんな人は、まわりが見えていないか、まわりに気を遣うことができないわけですから、距離をおいたほうが身のためです。


「君子、危うきに近寄らず」という言葉がありますが、コミュニケーションにおいても、その言葉は応用できそうです。


人間関係ワンポイント:電車内では周りが見えない人や、気を遣えない人に近づかないようにする